逃げろ
chapter5より
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これまでギャンブルにおいて「勝ち組」にまわれる方法は、「勝ち逃げ」に徹することだと教えられてきました。
しかし、実際現場にいて(Winsや競馬場や自宅のパソコンの前で)本当に勝ったまま次のレースをやることなく、終わらせることができるのか、といった心理について語られることはありませんでした。
もし、できなければ “それはお前の意志が弱いからだ” で、片づけられてしまっていたからです。
そこで、なぜ「勝ち逃げ」ができないのか、どうしたら「勝ち逃げ」が出来るのかをじっくり考察してみようというのが、いよいよ最終章となるChapter6なのです。
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◆決勝◆
■“ギャンブルで勝つ”唯一の方法は「勝ち逃げ」に徹することです。
極端な話し、一回きりの競馬をビギナーズラックで勝利したあと、一度も馬券を買わなければ、その人の馬券収支は永遠にプラスのままです。(そりゃ無理な話だけれど)
馬券を買えば買うほど、絶対真理【大数の法則】が我々の目前に立ちはだかってきます。
競馬でいえば75%前後の回収率に収束していくということになるのでしょう。(平均するとです)
そこで、「勝ち逃げ」の繰り返しなのです。
馬券を当てるよりも、勝ち逃げの方がはるかに難しいのはなぜなのでしょうか。
それは、私たちの“儲けたい”という欲望には際限がないからです。
(とにかく儲けられるだけ儲けたい、儲けたいから馬券を買い続ける、この発想で勝ち逃げなどできないことは明白です。)
ならば、その欲望に歯止めをかけるしかありません。
どうしたら「勝ち逃げ」することができるのか |
■勝ち逃げするには“儲けたいという欲望”に歯止めをかけるしかない。
■歯止めとは=具体的な金銭(回収率)目標を作ることである。
※何の目標もないから、際限ない欲望の渦に飲み込まれてしまうのではないでしょうか。
■そして、その「目標」の重要性は、金銭的な戦略をたてることができるということ以上に、精神的な支えとしての役割にあるのだと思います。
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■例えば、2百円から投資をスタートしたとしましょう。
幸運にも?1R目で的中した場合、多分利益はせいぜい数百円です。これでは、やめるにやめられないよ、と誰もが思うはず。だから次のレースへ、もっと利益を・・・、となるわけです。
なぜ、数百円の利益でやめることができないのか?
その理由は、単純に利益が少ないから!ではないと私は考えます。ここが肝心です。
あなたにもし、1ヶ月5千円という利益目標があったならば、たとえ数百円の利益だとしても、
「残」利益目標が4千数百円と示されます。それが、ここでやめておこう(勝ち逃げ)という決断を下す理由・動機付け・励みとなるのではないでしょうか。
−現実問題として、それを実行できるかどうかは、いよいよ各自の心の問題でしょうが・・・−
■利益目標について
「勝ち逃げ」するには具体的な利益目標が必要だ、という主張だけでは、非現実的でなかなか実践することはできないかもしれません。
人によっては“オレの目標は1年500万円”などと適当に目標を掲げるかもしれません。もちろんそれこそ非現実的な世界です。
ここは、じっくり妥当な目標金額(回収率)というものを考えてみるべきです。
それは当然、各自の軍資金(競馬に費やすことのできるお金)から算出されるべきものです。
軍資金が10万円なのに、1ヶ月の目標が100万円ではすぐに破綻してしまうでしょう。(中には、競馬予想会社のように、そのような利益目標であっても難なくクリアしてしまいそうな広告もありますが・・・)
妥当な線といっても、各自想うことは違うでしょうから、ここは私の考える妥当な線をお話しします。
これは単行本でも示したように1ヶ月の利益目標は、軍資金の3〜10%程度だと考えています。
ここでは「5%」としましょう。軍資金10万円なら、1ヶ月5千円です。
【10万円から5千円!】 とっても簡単そうじゃありませんか。
“そんなのわけない”と思われるかもしれません。
では、お尋ねします。過去の年間収支はプラスであったのか?と。
10万円から毎月5千円、【複利計算(単行本P68参照)は、なしです】1年間で6万円のプラスです。
10万円という軍資金を16万円にするわけです。
これは100万円の軍資金が160万円になったのと同じことです。
1000万円の軍資金が1600万円になったのと同じことです。
▲1000万円から1600万円が不可能だと感じられるのなら、10万円から16万円も不可能であり、それはつまり1ヶ月10万円からわずか5千円を得ることも不可能だということです。この5千円をあなどってはいけません。
ここでは1ヶ月利益目標を軍資金の5%としました。慎重に3%でももちろん構いません。
この3%を5%に、そして5%から8%へ、としていくのは、各自の馬券術の進化(努力・検証・継続)にかかっていますが、
しかし、この馬券術と「勝ち逃げ」は、まったく別物であるということを忘れてはいけないと思うのです。
競馬で「勝ち組」にまわれる唯一の方法が「勝ち逃げ」にあるとしたら「勝ち逃げ」するにはどうしたらよいのかという難問を「馬券術」とは切り離して考えていかなければならないと思うわけです。
自分の馬券術に自信がもてれば、あとは軍資金を少しずつ増やしていけばいいのです。
★さて、これまでの話しと矛盾してしまうかもしれませんが、わずか数百円の利益で、もう絶対何が何でもやめなければならないのかというと、実はそうではありません。
私の主張 |
◆利益(回収率)目標に縛られてはいけない。
◆利益(回収率)目標は臨機応変でなければならない。
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“何だ、それでは欲望のなすがままではないか!”と言われてしまうかもしれませんが、そうではありません。
ここは説明が難しいところでもあります。
つまり、
勝ち逃げというイメージ |
◆利益目標というイメージを頭の中に植え付けてしまうのです。
回収率でも金額でも構いませんが、1開催の、半年の、1年間トータルとしての目標のイメージです。
△ガチガチの数字目標ではないわけです。
「勝ち逃げ」する際の、妥当な線引きを常に考えておくということです。
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もう少し具体的にいうと、こうなります。
○月○日、午前中、プラス1千円。
今月の目標は軍資金8万円の5%!=4千円
さて、午前中の1千円のプラスは、勝ち逃げするのに妥当な金額かどうか、ということです。
(この線引き、結局は各自の判断次第となりますが)
この後、午後には当然メインレースが控えています。さて、どうしましょう。
(例えば確率は低いながらも、ブロック式でNETできるところがあるとしたら・・・)
大抵は何の疑いもなく、メインレースやるでしょう。
しかし、「勝ち逃げ」「利益目標」という考えがある人とない人では、当然次レースへの対応が違ってくるはずです。(次のレースは我慢して見しようとか・・・。)
【収支マイナスの場合】
こちらの方が「勝ち逃げ」より話は簡単です。
とにかく、マイナスの回収という目標に全力を注ぐことができるからです。
しかし、残念ながら、マイナスを取り戻そうとして、またまたマイナス金額を増やしていくという悪循環も起こりえます。
その場合でも、損失目標?リセット金額をあらかじめ考えておく必要があるでしょう。
軍資金の3分の1、〜5分の1で一旦追い上げ中止などです。
熱くなって一気に賭ける行為は地獄行きです。
●ブロック式馬券術の場合、マイナスで一旦リセットしても、そこには立派に育った?空白ブロックがまだそこに存在していたら、あらたな(リベンジ)チャンスとして、憎い敵からお金を生む卵へと変身してくれる可能性があります。
焦る必要はありません。(もちろん、一発でマイナスを回収できるわけではありませんが、回収する術はあるのです)
ただし、予想競馬の場合、このマイナスを取り戻す術を、私は残念ながら知りません。
マイナスになってしまった原因は、それこそ山ほどあるからです。(何点勝ったのか・賭け金配分はどうしたのか・・など、そして1R,1Rどの馬が強いのかという判断のもとで馬券を買っていたなら当然あらゆるミス(展開予想が外れた、馬体重を無視してしまった等)を反省しなければなりませんから)
ブロック式馬券術において、マイナスになった原因ははっきりしています。
焦って、小さな空白ブロックにNETしてしまった、というのなら、それが反省点となります。
そうではなく、〈じっくりWAITした〉、〈イレギュラーな波をしっかり読んだ〉結果としてのマイナスだとしたら、それは“運がなかった”ということにすぎないからです。
※これは、予想競馬における、“レースを外して運がなかった”というレベルの話しとはまったく別物です。
ブロック式馬券術は、はじめからこの運(偶然の的中)を前提として利用した馬券術であるからです。悪く言えば「運頼み」馬券術ですね。
■「勝ち逃げ」「利益目標」という発想なしに、ただ“儲けたいだけ儲ける、すべてのレースに賭け続ける”、という従来の発想が、いかに無計画・適当であったのか。
■そして、最終的・究極では「勝ち逃げ」「利益目標」という発想も私たちの意志にかかっているのだということを忘れてはいけないでしょう。
(私自身(いくら偉そうなことをいっても)あらためて、ここにこうして書きながら、気を引き締めているのだと思って下さい)
★「利益目標」を厳密に設定し、その遂行の重要性を知った上でもなおかつ、「勝ち逃げ」ができないのだとしたら、その時こそ、 “それはお前の意志が弱いからだ”で切り捨てられてしまっても文句は言えません。
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chapter5 −馬券生活への道とは− 再掲載
第一段階 |
軍資金の確保 |
◆軍資金目標金額の設定・・・1万〜20万。20〜50、50〜100〜続く。
※同時進行・・・もちろん競馬以外でもコツコツ貯める。
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第二段階 |
競馬 |
◆各自の馬券術の検証・・・買い目の出し方、馬券の種類、購入点数、投資金等をチェックする
◆少額での実践。
◆実践後の検証、修復、経験値UP。
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第三段階 |
〈馬券収支〉目標金額の設定 |
◆段階的に分けるのが効果的か。
◆利益(回収率=100%〜110%)目標 設定
◆損益(回収率=66%〜90%) 設定
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〈目標金額に到達=勝ち逃げ〉
◆以上の繰り返し |
以上で、なんとか【馬券生活塾】のコラムchapter1〜6まで無事終了いたしました。
みなさまの馬券向上のお役に立ったのかどうか(半信半疑)わかりませんが、少なくとも単行本ではお伝えできなかった競馬に対する今現在の私の考えを、すべてお伝えできたと思っております。
最終的には、結局馬券術云々より、競馬で儲けたいという強い意志(精神力)にかかっている、そしてコツコツと勝ち逃げしていくというお決まりの結論になってしまったかもしれません
そうはいっても、万馬券狙いの馬券術で数々の難問をクリアできるとは思っていません。
着実に少しでもプラスにできる馬券術を追求していくことで、最終目標をクリアできるものと信じております。
最後までお付き合いしていただいたみなさま、大変ありがとうございました。
みなさまの馬券収支がみるみる(^_^)よくなっていくことを祈っております。
−2002年7月記−
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