気まぐれコラム

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2006 FIFA ワールドカップ ドイツ大会
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競馬道GT4



2006年
No.146
7/22
− オシム・ジャパン その前に・・・ −

 ◆ドイツW杯日本代表の総括を置き去りにして、日本(川渕)サッカー協会は、昨日、オシム・ジャパンの船出を決行しました。
【総括】・・・それまでの活動の内容・成果などを評価・反省すること

 ドイツW杯日本代表について、そしてジーコジャパンについて、
何があったのか、どんな状況だったのか・・・、
結局それは、一選手であった「中田英寿」元選手が語ってくれたこと以外には知りようがありません(現在のところ)。
中田の引退ばかりがクローズアップされて、他の選手たちの言葉はほとんど私たちの耳には入ってきません。これは、私自身がサッカー雑誌を丹念に読み込めば解決することかもしれませんが。

 ドイツでの3試合を観終わって、日本代表の「闘争心の欠如」を感じたのが私だけではなく、多くの日本人がそう感じていたことは別に驚くことではありませんが、まさに選手である中田自身がそう感じていたこと、そしてそれをずっと危惧していたことを知ったときは、何というか・・、残念というか、かなり・・・ショックでした。

 W杯だけでなく、ジーコの采配で一番納得がいかなかったのは、選手交代のタイミングでしたが、結局一番の問題は、選手選考にあったのかもしれません。
 “闘争心のない選手”、もしくは、あっても“表現できない選手”
そんな選手ばかりを集めてしまった。つまり、ジーコ(自分)の言うことをおとなしくきいている選手ばかりを集めてしまったのではないか、ということです。

もちろん、責任を負うべきは、ジーコ以上に「選手たち」であることは間違いありません。中田があまりにも口うるさく言うから、溝が生まれたというのも分かります。きっとウザかったことでしょう。しかし、もしそこにあのラモスがいたら、柱谷がいたら、カズがいたら、闘莉王がいたら・・・・。
最悪、チームはバラバラになっていたかもしれません。しかし、逆に完全な闘争集団になっていたかもしれません。
どちらにせよ、馴れ合いの仲良しチームではなく、かなり状況は変わっていたと思うのです。
 
ブラジル戦終了後、ピッチに倒れていた中田のそばに近づいてきたのが、日本選手では、宮本だけだったというのが、あまりにも悲しすぎました。

あれでは、勝てなかったわけです。

4年後の南アフリカ大会では、プロとしての自覚を持った、そして日本代表としての誇りをプレーで表現できる選手たちを選んでいただきたい。
オシム新監督にはそうお願いしたいですね。これ当たり前の話です。

と、その前に。       

日本では、4年後・4年後とマスコミはあおっていますが、欧州では、そんな悠長なことを言ってはいられません。
すでに2年後の欧州ナンバー1を決める欧州選手権、ユーロ2008スイス、オーストリア大会に向けて動き出しています。

真剣試合という実戦による経験を積んでいかなければ、ますます欧州や南米との実力差は開くばかりでしょう。
となると・・・、
まずは来年行われる第14回AFCアジアカップ。 当然、狙うは、3連覇
開催国は、タイ・マレーシア・ベトナム・インドネシアの4カ国共同開催です。

若手中心でも構いませんが、あのオーストラリアも今回から参戦してきます。これは負けられません。

さらに言うなら、代表強化はJリーグから
そのモチベーションをもっともっと上げていくべきでしょう。
となると・・・、
今後のJリーグ各チームの目標は、リーグ優勝とともに、もう一つの大きなが必要です。
だって、そうでしょう。欧州にはヨーロッパチャンピオンズリーグ
南米にはリベルタドーレス杯。こうした厳しい大会を経験している選手・国々に、W杯でそうやすやすと勝てるはずがありませんから。(たかだか一国のリーグを制したからといって)
だからこそ、Jリーグ各クラブチームの最大・最高の目標としてAFCチャンピオンズリーグ制覇を掲げていただきたいと思うのです。
(※もちろん、この大会に出場するには、リーグ優勝するか、天皇杯で優勝しなければなりませんが)

AFCチャンピオンズリーグ
アジア実力ナンバー1クラブを決定する大会であり、ここで優勝すると、同年度の12月に開催されるFIFAクラブ選手権(元トヨタカップ)に出場できるわけです。

クラブとして、ここを目指さなくて、何を目指す!?

2002年-2003年シーズンに発足したAFCチャンピオンズリーグ、これまでの3大会でJリーグチームの優勝・準優勝はいまだありません。

どうしても欧州のクラブばかりに目がいきがちですが、アジアを制することができなくて、どうして世界と対決できるというのでしょう。

4年後のW杯の話もいいですが、その前にできること、やるべきことはいくらでもあります。
だからこそ、堅実で、実戦経験を重んじるオシムジャパンに期待するのです。

まずは、アジアから。
     一歩一歩いきましょう。
                   
No.145
6/27
− ドイツW杯・「闘争心」 −

 ★対ブラジル戦、観ていて最も歯がゆかったこと。

それは、日本人選手から「闘争心」とよべるものが感じられなかったこと。

それじゃ、「闘争心」って何?  どんな試合?

「闘争心」の塊のような試合が日本時間6/26早朝におこなわれました。

ポルトガル VS オランダ

史上最多イエロー16枚!レッドカード4枚という荒れた試合は、ポルトガルのフェリペ監督が「戦争」と表現した死闘でした。
決して褒められる試合ではありません。またカード乱発のロシア人主審に批判が浴びせられるのも致し方ないと思います。

それにしても、なぜ両国の選手たちは、それほどまでに熱くなれるのか!?
なぜそこまで勝利にこだわれるのでしょうか?!

相手が親や子のカタキだから、というのならわかります。しかし、これは単なるゲーム。たかがサッカーじゃないですか。日本代表のように、なぜ常にフェアプレーができないのでしょうか(もちろんこれは皮肉ですよ・・・)

その答えは、ポルトガル勝利後のフェリペ監督の言葉に見つけることができました。

“ ポルトガルにはこれまで国のために戦うという姿勢が欠けていた。きょうは国の英雄たちの勝利だ ”

主将のフィーゴも興奮気味にこう語りました。

“ 全員が自己犠牲の精神でプレーし、いつもの2倍走った。すばらしいチームだ ”

 2人のインタビューを聞いて、なるほど・・・! と、思いました。

日本人選手に欠けていたもの。それは、
 =【 日本国民・サポーター・友人・家族、そして日本代表になれなかったすべてのサッカー選手たち 】の代表としてプレーしようという姿勢とそのために自己を犠牲にしようという意志・精神

もちろんこれは私が感じた個人的な意見ではあります。
もし、柳沢選手や高原選手や中村選手や中沢選手が、そんなことはないと否定すれば、そうか・・、とうなづくしかありません。
ただし、うなづきはしますが、決して納得はしません。

負けたオランダの選手が、国のために戦った!全員がみんなのために走った!といえば、言葉を聞くまでもなく、激しく納得します。
そうだろうよ・・・、
そうじゃなければ、あんなに激しく戦うことなどできないだろうから・・。

(※オランダのゴールキーパー、ファンデルサルは、試合後監督と握手をしなかった。先発を外されたエースFW・ファンニステルローイは、“戦う準備はできていたが、チャンスを与えられなければ何もできない”と、いきなりの監督批判。終わった後でもまだ悔しさがにじんでいた。
しばらく動くことができなかった中田英のように・・・・)



戦う前、日本人選手の多くからは、自分のために楽しくプレーする。そんな雰囲気が漂っていました。別にそれは構いません。構いません、勝ってくれれば!!

しかし、W杯は、そんな意志と姿勢で勝てるほど甘い世界ではなかったということでしょう。それは、監督の采配以前の問題です。

ブラジル代表選手の誇りは、まさに【国】の代表であるということ。
ベッカムもW杯前からイングランドを頂点にすると言い続けています。

そういえば、
2004年アジアカップで頂点に立ったとき、日本代表の選手たちから、国を背負って戦っているという気迫が伝わってきました。確かに伝わってきました。

あの時は、そうならざるを得なかったのです。
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準々決勝 日本代表 1対1 ヨルダン代表 スタジアム重慶52000人 PK勝
準決勝   日本代表 4対3 バーレーン代表 スタジアム済南
決勝    日本代表 3対1 中国代表 スタジアム北京工人体育場 62000人

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覚えていますでしょうか?
日本代表を襲う中国人サポーターのあの大ブーイング。汚い野次を。
あの時の日本人選手たちは、日本人として負けられなかったに違いありません。
日本代表というより日本人としての誇りを守るためのエネルギーがあふれていたような気がします。

残念ながら、西欧に行くと、そうしたパワーは半減されてしまうのかもしれません。
また、ヨーロッパでプレーするための“足がかり”程度のモチベーションでは、闘争心など持ちようがありません。

ならば、どうしたらよいのでしょうか。

それには、日本人選手だけにこの闘争心を持ってもらおうなどという虫のよい話ではなく、国民(少なくともサッカーに興味がある人全員)が、勝利に対して貪欲になっていくしかないのでしょう。そうでなければ、この先、ワールドカップに出ることすら厳しくなっていくと思います。

日本にはちゃんとお手本があります。

野球と柔道です。
野球では、米国はともかく、それ以外の国に負けることは許されず、柔道は、金メダル以外は価値がない(と選手は思っています)。

サッカー文化が日本にはまだ育っていないなどときれいごとを言うつもりはもうありません。
とにかく日本代表が、ベスト16から一戦一戦勝ち抜いていくという喜びを、自分が生きている間に、ぜひ味わってみたいのです。
そのために・・・、

勝利には賞賛を、敗戦には批判と厳しいブーイングを

No.143
6/23
− ドイツW杯・日本戦が終わって・・・ −

 ★本日の睡眠時間、1時間半。
昼間に何度も襲われた睡魔に耐えてしまうと、頭は重いのに、眠りにつくことができません。そんなわけで、明日にしようと思っていたコラムをここで一気に書いてしまいます。じゃないと眠れん!

 “日本とブラジルの差”はどこにあったのでしょうか。
後半、日本が逆転されてからは、そのことばかりを考えていました。

3点目がブラジルに入ってから、日本もブラジルも後方でボールをキープしながら回す場面が目立ってきました。
同じようにパスをまわしているのに、明らかに違う何かがありました。
それは、パススピードでしょうか、トラップの正確さでしょうか。
いいえ、そんな技術的なものではありません。

明らかに【精神面】の問題にみえます。
ブラジルは相手を呑んでかかる。
日本は、完全に呑まれて、萎縮している。

しかし、これは、両国のサッカーの歴史や文化を考えればいたし方のないところでしょう。
しかし、それ以上に、観ていて歯がゆかったこと。情けなかったこと。
それは、【闘争心】の欠如です。

こんちくしょー、1点でも取り返してやる! 
このまま終わりたくない!といった・・・、気持ち=闘争心!さらに云えば、【開き直り

日本人選手からその気持ちが、私にはまったく見えませんでした。私が盲目だったのでしょうか?
中田英に唯一、その気持ちを見て取ることができましたが。
彼が後方まで下がってボールをもらいに来るたびに、彼の苛立ちをひしひしと感じとることができました。
なぜ前に来ないのか!? なぜ勝負しないのか!?と。

中田や川口が、大声を出して叱咤する姿はよく観ます。
しかし、小笠原や柳沢や中村や中沢が、いやほとんどの日本人選手が、お互いを鼓舞しあう姿をほとんど観ません。

ドイツW杯が始まってからすでに2週間が過ぎようとしています。
私が見たどの試合も、敗れ去ったどのチームも、最後まで闘争心だけは失っていないように見えました。
それほどまでにブラジルは強かったのでしょうか。
前半ロスタイム前までの戦いっぷりからすれば、決して、おびえて手も足も出ない国ではないことは、選手自身が一番感じたのではないかと思うのですが・・・。

弱い国が強い国と対戦するときに、気持ちで負けては話にならないということです。

さて、ここまで書いてきた「批判」、実は、4年前にも同じような気持ちになっていたことを思い出しました。
日韓W杯、対トルコ戦です。ベスト16に進出できたことで、なんとなく安堵した日本に、闘争心はまったく見当たりませんでした。

こうした精神的な問題が、日本人特有のメンタリティーに由来するものだとしたら・・・、日本は、この先ずっとベスト16の壁を破ることはできないのかもしれません。
しかし、私は、そうではないと考えています。
「日本人」であるから、ではなく、
「日本のサッカー文化」が、まだ成熟していないから、そう考えています。

今度の日本の敗退で、日本のサッカー界が、4年前に戻ってしまったという人がいましたが(松木安太郎・最悪)、まったく違うと思います。
その国の文化(ここではサッカー文化)の成熟度とは、まず多くの人に知ってもらうこと。
12年以上前には、まだワールドカップって何?という人が大勢いた国です。
次に、それを楽しむこと。楽しめること。
そして、みんなが語り合うこと。
それから、奥をのぞくこと。サッカーの奥深さを知ること。
そして時間が流れ、親が子へ、子がまたその子へ、伝えていくこと。
伝えていく段階で、伝えるレベルが変わっていくのです。

“ワールドカップって何?”というレベルから、
“どうしてベスト16にいけないの?”という段階に時代の流れとともに変わっていく。

そして現在・・・・、
ワールドカップ出場が当たり前となっている現代の小学生たちにとって、サッカー文化は確実にこの日本に浸透しているはずです。

8年前のフランスW杯で3連敗しても、どれだけの人が悔しがったでしょうか?
とりあえず参加できてよかった!そんな気分じゃなかったですか。

今朝の対ブラジル戦。1−4の惨敗!

とりあえず参加できてよかった・・、なんて、そんな気分になれましたか。

もう、くやしくて情けなくて・・・・、そんな気分だったのではないですか。

今は、残念ではありますが、その気持ちがあれば十分。
決して後戻りなどしていないと確信しています。
こうして受け継がれていくメンタルな部分が、サッカー文化を根付かせ、成熟させていく。日本代表選手とともに、わたしたちサポーターも進歩していかなければならないと、重たい頭で考えているところです。


で、この際、感じたことを言わせてもらいます。

川口のスーパー(ファイン)セーブが賞賛されています。今朝のブラジル戦でも何本かありました。

本当にスーパーセーブだったのでしょうか?
別に意地悪を言いたいわけではありません。ただ、川口のスーパーセーブ連発にジーコジャパンの限界が見えたからです。

川口は世界的に見てもかなり小さなゴールキーパーだということは誰もが知っていること。例えば、ボクシングでは、リーチのほんの数センチの差でも有利不利がありますが、同じ大きさのゴールを守るのに、身体が大きく、背の高いほうが有利なのは明らかです。オランダのゴールキーパーだったら、すくなくともたやすいセーブが、川口だとスーパーセーブになってしまう。川口ではパンチングできず、点を奪われてしまったシュートでも、イタリアのゴールキーパーだったら、かろうじて手が届いてセーブしたかもしれない。
 つまり、より身体的な差が出るポジションにおいて、川口を選ばざるを得なかったジーコジャパンの限界があった。川口は海外の2部でもレギュラーを取れなかったのに、なぜそれほどスーパーセーブができたのか。これはスーパーセーブに見えてしまうという比較の問題だと考えるのが自然だと思うのです。
これはセンターバックに選ばれた宮本にも同じことが言えます。
彼らの闘志はもちろんワールドクラスだと思いますが、それとこれとは別問題。
今後さらに上を目指していくためには、世界と互角に戦っていくためには、日本人とて、俊敏さだけでは埋まらない壁があるのだと痛感したのです。

もちろん、そうした選手を選んだ監督にこそ、最大の問題があることはいうまでもありません・・・・。
先週も書きましたが、監督批判は、次期監督選考で、対処していただくほかありませんので、あえて書きません。

ただし、もし今度の日本代表を、そのままそっくりヒディング監督に預けていたら、一体どうなっていたか?これは真剣に興味があるところです。

ふ〜、ちょっと熱くなって長くなってしまいました。

日本代表の試合は終わってしまいましたが、ワールドカップが本当に面白くなるのは、これからです!これからどのくらいの日本人がワールドカップを楽しんでみるのか!?日本代表の今後の活躍(成績)は、案外、それ如何にかかってくるのかもしれませんね・・・・。

以上。
No.142
6/21
− ドイツW杯・対ブラジル戦・前夜 −

 ★いやまったく、完全に、崖っぷちにたたされてしまいました。
 6月22日深夜、対ブラジル戦! 
『勝たなければなりません』

これ以上の「崖っぷち」があるでしょうか!
今後のワールドカップ本大会において、これ以上の「崖っぷち」は二度と体験できないかもしれません。それくらい、これは貴重な経験です。

昨年12月の【気まぐれコラム】では、この切羽詰った状況を、私自身、どうやら望んでいたようですが。
それでも、せめて勝ち点3、いや2はゲットしてくれているのではないかと期待していたのです。
どちらにせよ、やはりブラジル戦が大一番となりました。

 それにしても、日本のメディアは前向きですね。
連夜の報道を見ていると、なんだかブラジルに勝てるような気がしてくるから不思議です。
“勝つしかない!!”“やるしかない!!”というのは現実ですが、
だからといって、“勝てます”“やれます”“やってくれるでしょう”と話が飛躍するのは、恐るべし!ニッポン!という感じです。

確かに、冷静になり(頭を冷やし)、過去の実績をふまえながら、互いの戦力分析をしあえば、沈鬱な空気にならざるを得ませんから、それでは、番組にならないでしょう。
が、素人ならまだしも、それなりの立場の人が(もちろん元代表選手ら)、これといった根拠を示さずに、“勝てます”“やってくれます”と叫ぶのは、番組を盛り上げる以外に何のメリットがあるのか、よくわかりません。

ブラジルやイタリアなどのサッカー番組は、基本的に「賛美と批判」だということです。素晴らしいプレーには賞賛を、しかし、ダメなプレー、消極的なプレーは、容赦なく批判する(時には罵倒する)。
日本のスポーツ(サッカー)番組に欠けているのは、この「批判」精神だと思います。
っていうか、基本的に「批判」などありません。

※プロ野球のニュースでは、結構OB達が辛口コメント出してますよね)

サッカーの強い国 (=野球の強い国)は、見る目=報道する目(側)も厳しい。
すなわちそれは、私たちサポーターの見る目が問われているということにもなります。
メディアが、ダメなものはダメといわないと、見る側が納得しないという国民がいる国。そんな国は、当然のように強くなるでしょう。
それがブラジルであり、アルゼンチンであり、イタリアであり、イングランドなのです。

対ブラジル戦。
確かに勝つチャンスはゼロではありません。何が起こるかわかりません。
ブラジルが既に予選リーグを突破しているので、死に物狂いで日本に戦いを挑んでくることはない、そこに一縷の望みがあります。
ここは選手を信じて、応援するしかありません。

昔のように、ワールドカップに出られたら幸せ!なんていう幸福な時代は過去のものとなってしまいました。
アジア予選突破は当たり前(一昔前なら考えられないことですが)。
もうワールドカップ本戦で予選突破してくれないと、満足できない身体になってしまったのです。あぁ、もうダメなの。
人間って、ほんに欲張りな生き物・・・。

でもでも、こうした欲望・願望こそが、その国のサッカーレベルを上げていく原動力になるに違いないのです。
あぁ、もっともっと・・・って。

そのためには、ときには熱く、しかし沈着冷静に。
ブラジル戦の結果がどうなったとしても、未来につながる「賛美と批判」。
サッカー日本代表がまだまだ強くなるために!

う〜む、にしても、2点差以上とはな・・・。

No.141
6/13
− ドイツW杯・カイザースラウテルンのショック −

 ★オーストラリアよりも日本代表が優位に立っていること。
それは何か。

下のコラム(No.140)で書いたことですが、それは間違いなく日本代表の「経験」。そう思っていました。
ワールドカップ3大会連続出場の中田・小野・川口・楢崎、2大会連続出場組みも数多い。大舞台での経験は、未経験者たちに比べれば、圧倒的なアドバンテージとなる。そう思っていました。

 冷静な判断力の維持、そして勝たなければならないというプレッシャーに打ち勝つには、『経験』しかないと・・・。

経験をつんだ「中田世代」の選手たち。今大会、Jリーグが誕生してからの日本代表の集大成になる。そう思っていました。

 しかし、私は忘れていました。

日本代表には、まったく経験をつんでいないものがいたことを。

お察しの通り、それは、ジーコ監督です。

選手としての経験、監督としての経験。そこにどれほどの差があるのかはわかりません。しかし、間違いなく、監督として、ジーコはドイツが初舞台でした。

ずっと前から言われてきたこと。
ずっと前から心配されてきたことではありますが、まさか、本人が語る「日本代表の集大成の試合」で、固まってしまうとは・・・。

固まる”とは私だけが思ってきたことかもしれませんが、窮地にたたされると、ジーコは、まるで選手の一人となったかのように試合に入ってしまい、呆然と立ち尽くしてしまう=固まっているのですね。


 今日(6/13)の報道ステーションで、古館一郎がこんなことを言ってました。
“ジーコが悪い、誰が悪いといって、批判しても仕方ない。我々は、勝つから応援しているのか、そうじゃなくて、負けても応援するのがファンというものだろう・・・”

意味が分かりません。

まるで“批判すること、イコール応援しないこと”みたいな言い方。

まったく逆でしょう。

「応援」するからこその「批判」。
「批判」とは、相手をののしることでも非難することでもない。
何が悪くてどこを修正したらよいのかを突き詰めていくことだと思うのです。
もちろん、それなくして強くなどなるわけがありません。

・・・・今日は、昨夜のショックで少々荒れ気味ですのでご勘弁を・・・・

日刊スポーツのW杯コラムで、井原元日本代表&現解説者が、ガッカリするようなことを書いていました。

「日本代表の敗因は、追加点が取れるシーンで取れなかったことだろう」

えっ・・・、現解説者が、そんな解説?

そんな敗因の分析でよいのなら、
「今日の敗因は、先取点を取れなかったこと」
「今日の敗因は、結局点を取られたこと」
「・・・」
それでおしまい。

その分析はただの「結果論」。

“あの時、追加点が取れていたらなぁ・・・”と誰もが考えます。
私もそう思いました。
しかし、ではなぜ追加点が取れなかったのか
を、分析・解説するのが解説者というものでしょう。

一般論しかいえないNHK的な井原氏には、正直ガッカリしました。

セルジオ越後氏、沢登氏のコラムはなるほどと思わせられるものだっただけに、
なおさら・・・。

    
さて、そうはいっても、確かに、いまさら、監督批判をしても、どうにもなりません。
この監督批判は、次期監督選考で、対処していただくほかありませんから。

まずは、何といっても、次のクロアチア戦!

本当に日本代表の集大成にしたいのなら、昨夜のような、守って守ってカウンターなんて、いままで見せたこともないような下手な戦い方をするのではなく、これまで通りの早いパス回しとアグレッシブな中盤からのプレスサッカーを見せてほしいのです。

オーストラリア戦のハーフタイムで、ジーコが選手たちに、「後半は守ってカウンター勝負」などといって、選手たちが戸惑ったという話を聞きました。
守りに入った挙句、サンドバックのようにシュートの雨あられを食らってKOされたわけです・・・(しかも百戦錬磨のヒディングは、日本が守ることを察知し、攻撃陣を効果的に投入してきた。しかしそれは別にサプライズでもなんでもなく当然の戦術でしょう)。しかし、ジーコは、なぜここにきて、守りのサッカー?(あれだけ直前にシュート練習をさせておいて・・・、う〜む)

やっぱりこれまで通り、選手たちの自主性を重んじ、攻撃的にいきたいという中田を軸に攻め続ければよいのです。
そこにしか勝機はないと思います。

また、そういうサッカーをしてくれれば、たとえ負けても昨夜のような情けない思いはしないはずです。

選手のみなさん、自由に、おもいっきり、攻撃的に、そのすべてをクロアチア戦にぶつけてください。祈ってますよ〜!!

 PS:ちょうど今、韓国がトーゴを破り、勝ち点3を手に入れました。韓国は、これまでどおりのサッカーをしていたように見えました。相手うんぬんではなく、自分たちのサッカーが貫けるかどうか!それが勝敗を分けるのかもしれません。

 PS2:それにしても大黒は可哀想だった。いくらスーパーサブといっても、たった3分で何をしろというのだろう。しかも、ロスタイムに交代なんて、普通、勝っているチームが時間稼ぎでとる戦術だろうに・・・。
No.140
6/10
ドイツW杯・「日本代表」予選突破の可能性

 ★2002年3月27日「気まぐれコラム」No14
−W杯・「日本代表」予選突破の可能性−を書いてから4年が経ちました。
あれからもう4年。本当に早いものです。
最近は、自分が生きてる間にあと何回ワールドカップを見ることができるのだろうか?なんてコトを真剣に考えてしまいますが、4年に一度のワールドカップは、自分史のなかでも、記憶のスパイスとして確実に刻まれております。

例えば、ロベルト・バッジョが決勝のPKをハズした時、自分は○○に勤めていて、そこの友人とアパートでTV観戦していたなあ、とか、ドーハの悲劇のときは一人で深夜観戦、あまりの衝撃に寝ることもできなかったとか、鮮明にその場面を思い浮かべることができるのですね。
これが8年前のオリンピックの柔道決勝で自分は何をしていたのかと聞かれても、多分観ていたとは思いますが、何の情景も浮かんできません。

その時代の空気ごと記憶している。私にとっては、これがワールドカップの魅力ということになるのでしょう。

 4年前の日韓W杯での関心・興味・希望・期待・プレッシャーといえば、何といっても『ベスト16に生き残れるのか』に尽きます。
ホスト国としての最低限のノルマベスト16
日本がロシアに勝利した時の喜びは、その強烈なプレッシャーの反動でした。
胃が痛くなるような緊張と歓喜とは表裏一体。
今回のドイツで足りないもの、それは間違いなく緊張でしょう。予選突破できなければ日本に帰ってこれないくらいのプレッシャーがなければ、今回は少々厳しいかもしれません。

と、いうことで、4年前の−「日本代表」予選突破の可能性−を振り返りながら、今年のジーコジャパン予選突破の可能性を検証してみます。

 前回(といっても4年前)、「日本代表」予選突破の可能性を占う指標として取り上げたのが、いまでも悪評高いFIFAランキングでした。
FIFAランキングの順位はどこまで予想の役に立つのか!?
それを検証してみることから始めたわけです(考案者はNumberに執筆した小川勝氏)。

 では、さっそく前回日韓大会の各グループ予選突破国と当時のFIFAランキングとの相関関係を調べてみましょう。ここで使用するFIFAランキングは、直前のものではなく、4ヶ月前のランキングをもとにしています。“4ヶ月前”に特に意味があるわけではないのですが、フランス大会からの流れでそうなったようです。

★2002年日韓W杯各国4ヶ月前FIFAランキング
   
   (各国左の数字が当時4ヶ月前のランキング順位。)

 赤字国は「FIFAランキング」通りなら上位2チームとなって予選突破できたはずなのに、実際はできなかったチーム。
逆に青字国はFIFAランキングでは、3・4位でしたが、それを跳ね返して予選突破したチームです。

当時、日本代表のランキングはH組最下位だったのですね。すっかり忘れていました。それにしても、98年大会に比べ、波乱が多かったといわれる日韓大会ですが、当時1・2位のフランスアルゼンチンがグループリーグ敗退するなど、誰が予想できたでしょうか!
特に日本・韓国は、グループ最下位のランキングだったにもかかわらず、1位通過を果たしています。

※参考:1998年フランス大会各国4ヶ月前FIFAランキング
   

 さて、それでは2006年ドイツW杯出場国4ヶ月前のFIFAランキングを見てみましょう。
2006年ドイツW杯各国4ヶ月前FIFAランキング

   
 
 各組下の数字は、各国ランキングを足した数字です。
当然ながら、数字が小さい組ほど、混戦「死のグループ」と呼んでもよいかと。
特に【E組】は厳しいですね。優勝経験3回のイタリアとて予選突破はそう簡単ではないでしょう。日本は2番手評価ですが、厳しいグループであることは、その数字からも読み取れます。
前回日韓大会から考えると、40位台まではチャンスがありそうですね。そうなるとほとんどの国にチャンスがあるということになってしまいますが・・・。

ただ、そうはいっても、荒れた前回大会でさえ、各組FIFAランキング上位2カ国のうち、11ヶ国までが2次予選に進出しています。その確率11/16=69%
前々回仏大会では13ヶ国が順当に予選突破(81%)していますから、今回もサプライズは3〜5ヶ国程度かと思われます。
イタリア(12位)、ウクライナ(41位)、が予選突破してもサプライズでもなんでもないような気がしますが、問題は、日本の18位です。

仏大会9位のときは、有り得ない順位をつけられたうえ、3戦全敗の最下位に沈みました。
現在の18位という数字(2006.5月現在も18位)は、妥当な位置なのかどうか。それはこれからわかることですが、仏大会と明らかに違うこと。
それは日本代表の「経験」です。
オーストラリア以上の経験!クロアチア以上のFIFAランキング!
これらを味方につけて、ぜひとも予選突破!!してほしい。
いや、してくれると信じて、あさって開幕するF組初戦を応援します。
(前回はFIFAランキングを裏切ってほしいと願いましたが、今回は、どうか順当に終わってほしいと・・・)

PS: 4年後のアフリカ大会では、違った切り口で予選突破の可能性を探ってみようかな・・・。


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