気まぐれコラム

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2002年
No.27
8/14
−再考.3・「確率のリバウンド」−(長文)
■ブロック式馬券術(=ブロック・システム)の買い目選出の肝となる部分は、前回「再考.2」で考察した“追い上げ”による資金運用と密接に関係しております。
 競馬で勝つためには「買い目選出法」と「資金運用法」が一体となってはじめて成し得るものであると思うのですが、ブロック・システムの「買い目選出」に関しては、今回のテーマである「確率のリバウンド」がキーポイントとなります。

 投資競馬(一般的な)と呼ばれるものの馬券(買い目)選出法を簡単に言ってしまえば、“狙った馬券の不出現を見つけたら、それが出現するまで追いかける”というものです。
【どんな馬券】を【どのように狙うか】に各馬券術のオリジナルな要素があるわけですが、基本的には“単勝2番人気が出ていなければそれを追いかける”といったものと大きくかけ離れているわけではありません。つまり、「確率のリバウンド」に頼った馬券術でもあるわけです。

 ここで「確率のリバウンド」について簡単な解説を・・・ある事象が出現する確率が不変であるとするなら、その確率を大きく下回る結果が繰り返された後には、確率を戻そうとリバウンドがおきるという考え方。
 例えば、1番人気に推された馬の最大連敗数が19で、現在12連敗しているとするなら、そろそろ1番人気馬が勝つだろうという考え。
 しかし、最近どうやらこの「確率のリバウンド」は競馬においてはあてにならないという話しを耳にしました。これは聞き捨てならない。なぜって、これが幻想に過ぎないのなら、投資競馬の基本となる追いかけはまったく無駄骨ということになってしまうから。では、なぜあてにならないのか。それは従属事象と独立事象という話しから始まります。
 面倒ですが、簡単にこの二つの用語の解説しときます。

 まずは従属事象・・・確率論の用語。複数の事象において、ある事象の起こるか起こらないかが、別の事象の起こる確率に影響を与えるような関係にあるもの。「例・当たりくじが1本だけ入った箱(くじは全部で10本入っているとする)から、くじを引いていくとする。引いたくじは箱には戻さない。1回目の当たりの確率は10分の1。1回目はずれて次に引くときの当たりの出る確率は9分の1。以降、8分の1、7分の1と、はずれていけば次に当たる確率はだんだんと高くなっていく。つまり前の結果が次の確率に影響するわけです。」

これに対し独立事象は・・・複数の事象において、ある事象の起こるか起こらないかが、別の事象の起こる確率に影響を与えないような関係にあるもの。「例・先ほどの例でいえば、1回引いたくじを当たりはずれ関係なく箱に戻してから再びくじを引いていく。これだと常に当たる確率は10分の1となる。つまり前回がはずれたとしてもその結果に関係(影響を受けず)なく同じ確率であること」
  
                 (大辞林第二版から)

 さて、一体競馬はどっちなのかということですね。これはもうはっきりしています。前のレースまでに「1番人気馬」が連敗していたとしても、次のレースで「1番人気馬」が勝つ確率が高くなるなんてことは一切ないのです。競馬では9レースの結果が10レースに影響を与えるわけではない独立事象なのです。だから、連敗が続く買い目があっても、それを追いかけるという発想は無意味である。
「確率のリバウンド」などといったところで、それをあてにはするなと。

痛!これはまずい。では、追いかけ投資は無意味だったのか。はたしてそうなのか!?

 上記の確率の話しに誤りはない。完璧です。しかし、この手の話しは以前聞いたことがありました。サイコロとかルーレットの話しです。馬券の世界では「出目」と呼ばれるものの話しです。
「出目」の世界において1番といえば、それは1枠1番という馬番のことです。この1番は決して「1番人気馬」とは違います。当たりまえの話しです。サイコロで@の目が13回連続で出ていないとします。では14回目に@が出る確率は・・?、6分の1です。AもBもEもすべて6分の1です。1つ1つの目には何の優劣もありません。次に馬番です。16頭立てのレース、直線1000m、競走場が均一(ありえませんが・・)であり、馬には何の優劣もないと想定します。ゼッケン1番の馬が13戦連続で負けているとします。14戦目でゼッケン1番の馬が勝つ確率は?16分の1でしょう。
では、同条件レース、しかし今度は馬には優劣が存在します。残念ながら1番人気馬は13連敗。14戦目、そこで1番人気に推された馬の勝つ確率は?やはり16分の1でしょうか。ならば16番人気の馬が勝つ確率も16分の1なのでしょうか。もしそうなら、(そうした確率のレースの積み重ねなら)過去、ブービー人気の馬と1番人気の馬の勝率は年間を通してみれば同じ値になっていくはずです。

※確かに、1つ前のレースの結果によって次のレースの確率が変わることはありません。1番人気馬が連敗しているからといって次に勝つ確率が高くなるわけではありません(競馬は独立事象ですから)
 そうではなく、常に「1番人気馬」が勝つ確率が高いということなのです。さらにいえば、次に勝つ確率が高いのが「2番人気馬」であり、次は「3番人気馬」となるのです。そのことはJRA競馬の歴史が(人気別勝率として)実証しています。

 一時期、「1番人気馬」が2勝しかできず、その間に「5番人気馬」が6勝もしていたとしましょう。その後どうなるか。間違いなく、「5番人気馬」が勝つよりも「1番人気馬」が勝つことの方が多くなるはずです。でなければ、年間の勝率で毎年「1番人気馬」がトップを維持することなどできなかったはずですから。それが「確率のリバウンド」であり、そして、そこが狙い目となるのです。

 競馬はサイコロやルーレットとは違います。サイコロに強い目など存在しません。(確率による片寄りやイカサマによってならあるかもしれませんが)しかし、馬(サラブレッド)には強い馬、速い馬がいます。(騎手も乗っていて、うまい下手がある) 競馬は生き物、サイコロと一緒にしてはいけません。誰もが認める強い馬は当然のように「1番人気」に推され、そして勝つ(勝って欲しい)。でも、半分以上は負けてしまうけれど・・・。

 ここ10数年における1番人気馬」の連敗数は19だと聞きます。さて、もし「1番人気馬」が13連敗していたら、次のレース、「1番人気馬」に賭ける価値はあるでしょうか。これに対する答えは人それぞれでしょう。私ですか、当然賭けます。負けても次レースでまた賭けます。最低でも6レースは賭けます。勝つ確率が高くなっていくわけではないのですが、そんなことより、めったにないチャンスを逃すことの方が惜しいから。むろん追い上げです。来なかったら?破産する?そこまで賭け続けるわけありません。適当なところでリタイヤして、もう一度振り出しに戻ればいいのです。巻き返せるのか?そこが最重要テーマであるわけです。

「1番人気馬」の年間勝率は約35%。「10番人気馬」では?数パーセントもないでしょう。そうした勝率が偶然によって作られているのか、または人為的なものなのか定かではありませんが、これを利用した買い目(馬券)選出法はまだまだこれからだと私は思っています。

▲ついでに・・・大リーグ/マリナーズのイチロー選手は昨年首位打者となりましたが、昨年の打率ご存じでしょうか。ジャスト3割5分です。では、彼の連続無安打記録を知っていますか。去年の7月にやってしまった21打席連続ノーヒットが記録です。次点は、今年7/31までの17打席ノーヒット。これはオリックス時代(99年5月)の記録とタイです。
なぜか「1番人気馬」の連敗数「19」と似ていますよね。まったく不思議です。
これに少々関連したコラムを以前書いていたのを思い出しました。よかったら読んでみて下さい。
No.20  −巨人の松井が不思議に思うこと−

今回はかなりの長文となってしまいました(-_-;)
最後まで読んで下さった方、お疲れさまでした。これにて、−投資競馬・再考−終了です。
では、おやすみなさい。


No.26
8/3
−再考.2・「追い上げ投資」−
■投資競馬を考える前に、あと2日と迫った「住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)」について一言いいたい。
 本当に、冗談ではなく、稼働してしまうのでしょうか?!住基ネット=国民総背番号制。他の国ではどうなのか知りませんがスウェーデンなどは生年月日はもとより、収入から財産等あらゆるものが管理されているらしいが、歴史があり法整備も進んでいるとのこと。またお隣韓国も背番号制で、そのカードを携帯することが望ましいらしい。アメリカもすでに導入されていて、個人番号を不正入手し、他人に成り済ますといった犯罪がやはり多発しているとのこと、確かにそれは、近未来小説で好んで使われた(使い古された)題材ではありました。大抵は個人の自由を極度に制限するために一役買う非人間的な世界を表すシステムとして重宝されたものです。ついにこの日本で、しかも個人情報を守るための法整備もされぬまま施行されようとしているなんて・・・。実際、背番号を拒否する自由は保障されないのでしょうか?別に私の情報が流出したところで、どうなるものでもないのでしょうが、役人達がいいように閲覧でき、多分それを売る輩も出てくるだろうと思うと、腹立たしいし、決して気分がよいものではありません。政治家は“住民票を取るのが便利になる”などとつまらないことを言ってますが、そんなことのために何十億という金を使うなといいたい。(しかも市町村レベルでは今以上の維持費がかかるらしい)
 とにもかくにも、今月中旬には、勝手に国に決められた「自分の11桁の番号(携帯電話も11桁)」が自宅に郵送されてくるらしいですよ(送り返そうかな(@ @)。

 さて、気分を変えて、今回の投資競馬・再考は「追い上げ投資」についてです。
◆ブロック式馬券術では投資金(賭金)算出に追い上げを採用しております。なぜかというと、これは自分が手にすることができる配当にその原因があるわけです。
 
 まず、追い上げについての前に、「均等買い」について考えてみます。均等買いでコンスタントに当て続ければ「勝ち組」一直線。しかし均等買いでいったん損失が膨らんだとき、それを取り戻す術は、その損失に見合った配当を的中させることが必要になります。つまり穴狙いです。穴を狙って取れれば問題はないのですが、狙って取れるほど甘くはありません。
しかし「均等買い」のメリットとして、賭け金を上げなくても、穴を一発当てれば損失金が取り戻せるというのは外せません。視点を変えれば、損失金が膨らんでしまう前に、本命から中穴をコツコツと当てさえすればよいわけです。であれば投資金が過剰に膨らむこともないでしょう。またそれほどコンスタントに馬券を的中させる馬券力はなくても、穴馬を探しだすことができ、中〜大穴を取れるだけの馬選力(造語、馬券力と同じ意味)があれば、均等買いで勝てます。
 しかし残念ながら、的中させるのは本命サイドのみ、しかもレースが荒れる荒れないの予想がつかず(裏目裏目を買ってしまう)、小穴でさえなかなか当てられず、ましてや中〜大穴などここ数ヶ月取ったこともない、という方は均等買いではお手上げになってしまうはず。(追い上げでも厳しいですが・・(-_-;)
均等買い・・・コンスタントに当てなければ、本命サイドの的中だけでは勝てない!!(購入点数にもよりますが)
では、「追い上げ」はどうか!
 最近は、一時の勢いがなくなりつつある「追い上げ」ですが、1番の問題点は言うまでもなく、賭金の増大、そしてそれによるパンク(軍資金ゼロ)でありましょう。「 追い上げ」の基本コンセプトは、“外れるときには小さく当たるときには大きく賭けている”というものですが、当たらなければ大きく賭けていた分、ダメージも大きくなってしまいます。もう一つ、外れるときに小さく賭けているのはよいのですが、小さく賭けている初期段階で当たってしまった場合の利益も小さい、というのももどかしいところ。
しかし、その多くのデメリットを掲げながらも、先に述べたように、中〜大穴を的中させるだけの馬券力がなければ、均等買いとて結局収支がマイナスになるのは避けられない事態なのです。
追い上げのメリットを上げておきましょう・・・本命買い一本であっても利益を上げられること。
条件は1つ・・・パンクする前に的中させること。(これが難しいのだが)

多くの方は「均等買い」にはパンクがないと錯覚しているかもしれませんが、それは間違い。追い上げで言うところの「パンク」とは、1〜2日で1,2ヶ月分の資金を使い切ってしまうという話しですが(かなり痛いです(=_=)、遅かれ早かれ「均等買い」でも負け続ければ、資金がなくなってしまう=パンクには変わりないのですから。
(パンクにおける精神的ダメージはまた別の話、慣れの問題としておきます。)
太く短く生きるか、細く長く生きるかの違い?ちょっと違うか。

 では、ここでの結論として
己を知るということ!自分が馬券で取れるだろう配当を、過去を振り返るなどして知ること。これが大切。本命サイドばかりでなく、穴も取れる馬券術を持っているかどうか。持っていれば「均等買い」で勝負できます。同時に大穴を取るには一種の才能、博才が必要だと私は考えています。(例えば、小さな頃から馬を見ることのできた環境で育ったとか、父親が無類のギャンブル好きで、そんな世界を覗いてきたとか、そうした素養も含めての話し)
残念ながらこの私は、父が筋金入りのパチンコ好きではありましたが、決して賭事に強くもなく、ひらめくこともなく、JRAのいいカモでした。
“己を知る”・・・それでも本命サイドはコツコツ取っていましたから(誰でもそうだ)、本命サイドでも勝てる買い方を選ぶしかありません。(=本命サイドしか取れないから追い上げを使う) 
それがブロック式と追い上げをセットで使っている理由です。

今後、ブロック式で中穴〜を取ることができるような方策が見つかれば、その時は「均等買い」も賭け金算出の候補に加えたいと思っていますが、どうなるでしょうか。※理想は“ソフトな追い上げ”なのですが・・・
以上。
次回はラスト「投資競馬・再考.3」として、確率についてのコラムを。


No.25
7/24
−投資競馬・再考.1−
■久々のコラムです。暑い日が続き、話題が浮かびません(ただの怠慢かm(_ _)m)
 最近、“投資競馬は儲かりますか”というような主旨のご質問をよくいただきます。「ブロック式〜」を含め、出版されている(投資)馬券本はほぼすべてが“儲かる”ことを前提に書いているわけですが、実際のところはどうなんだ、という素朴な疑問をもたれるのは当然のことでありましょう。(裏を返せば、信用されていないわけでありまして(^^;)、過去に相当やられて疑心暗鬼になっている姿が目に浮かびます)

「投資または利殖競馬」というネーミングは、従来のギャンブル的競馬のイメージとは何か違って聞こえます。いかにもお金が増えそうですから。競馬でやられまくってきた人はもとより、あまり競馬に関心のなかった人たちにも、“もしかしたら”という下心を刺激しているのかもしれません。(もうネーミング自体のインパクトはなくなったかなとは思いますが・・)
しかし、こうしたご質問があるのは、長引く不況や将来に対する漠然とした不安(年金問題から銀行倒産話など)がその根底にあるのでしょうか。
それはともかく、“投資競馬は儲かりますか”というご質問に対してはいつもこうお答えしております。
「投資競馬だからといって儲かるわけではない。投資競馬とはただのネーミングに過ぎないから。結局、競馬で儲かる(儲けている=勝っている)人もいれば、儲からない(儲けていない=負けている)人もいる」と。さらに付け加えるのなら「やはり勝っている人は少数であり、残念ながら、ブロック式〜を使っても、それは変わらない」と。

■当サイトでは、「投資競馬」の対局として「予想競馬」という言葉を使っています。どちらが儲かるといった話しではなく、要は“馬券の買い目の出し方”の違いでしかありません。「予想競馬」で必要なものは馬柱の情報他、パドック派の方々にとっては馬体そのものも必要です。血統・騎手・厩舎の情報から競馬場のコース差も貴重な情報源となります。それらの情報を好みに合わせて選択し検討する事によって買い目を出す。強い馬(速い馬、有利な馬)を導き出すための作業ですね。
「投資競馬」で必要な情報は、今のところオッズ・人気であり、そして特徴的なのは過去数年にさかのぼってそれらのデータを調べることによって、これからを予想するというスタイルでしょうか。
 勝つオッズ(勝つ人気)を調べる作業です。かなり大雑把に分けてしまいましたが、最近では「投資競馬」「予想競馬」両方のスタイルの融合もおこなわれているみたいです。
(あるレース<G1レースなど>の過去10年のデータを調べあげ、そこから勝ち馬の特徴を導き出すいわゆる消去法とは別物と考えてください。1レースをピンポイントで当てようとするスタイルは結局「予想競馬」の範疇に入ると考えます)
 そしてこの2つに優劣があるわけではなく、どちらを選ぶ(または併用する)かは、個人の好みによるものであり、同時に勝ち負けに関しても、どちらかを選んだ結果ではなく、個人の力量の差によって生まれたものに過ぎないのでしょう。

■“ギャンブルから投資へ”というフレーズをよく目にしますが、どちらにせよ、リスクがゼロになるわけではありません。
“儲かるのか儲からないのか”、これは競馬に限ったことではありませんが、いかに儲けるために考えるか、真剣になるか、本気になるか、にかかっているのだと思います。

※今回は“そんなこと言われなくたってわかってるよ”とお叱りを受けそうなことを書いてしまいましたが、どうかご勘弁を。
次回は−投資競馬・再考 2−として、追い上げ投資について書いてみたいと思っております。では、また。


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