気まぐれコラム

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2001年
第9週
11/30
緊急入院、その後

 緊急入院してから早いもので10日が経ちました。
そして私がなぜ入院しなければならなかったのかも分かってきました。
病名は−僧帽弁閉鎖不全症−(またの名を逆流症)です。
聞き慣れない病名ですが、心臓病の一種としてはさほど珍しくはないということです。
■−そうぼうべんへいさふぜんしょう−とは

心臓の血液逆流防止装置である「弁」には4つあり、
その中の左心室と左心房の間にある弁を僧帽弁と呼ぶ。
その僧帽弁が何らかの理由により、十分に閉まらなくなり、
左心室から全身に送られるべき血が、逆流して左心房に戻ってしまうという
症状です。

 その戻ってしまう度合いにより、病状の進行度を測るのですが、私の場合は、その弁の片方が“プランプランになってしまっている”(担当医談)らしく、つまりは重症であるという診断結果だったわけです。診察を受けるのがあと1週間遅かったら・・・。

 私が入院しているのは、松本にある信大医学部付属病院で、肝臓移植などで全国的に有名な病院です。
心臓を患っている方は8階病棟にいるのですが、やはりご年配の方が多く、私のような30代後半、さらには40代の方もほとんどいません。
 なぜ私がこのようなことになってしまったのか?直接的な原因がはっきりしないのが怖いですね。
(心臓病は生活習慣病らしいので、不規則な生活、食生活、飲酒、喫煙等がよくないらしい。それにしても、そんなにひどくはなかったと思う。)

 さて、この病気の治療法です。
一番の問題は、薬を飲み安静にしていても、私のプランプランの弁が元の状態に戻ることはない!ということです。
 選択肢はどうやら1つしかないようです。
外科療法=手術です。手術によって弁を修復するしかありません。
それしか方法がないのなら仕方ありません。

これが、次のような二者択一だったらどうしますか?
 《手術をする=当然リスクがあるが、成功すれば安泰である。》
 《手術をしなくてもよい=ノーリスクだが、将来再発の可能性もある》
あなたならどちらを選びますか?

 今回、不本意にもこのような事態になってしまい、皆様にご迷惑をおかけしてしまったわけですが、にもかかわらず、メンバーの方から励ましのメールをいただきまして本当にありがとうございます。
しっかり直して、必ず「ブロック式馬券術」をよりよく進化させますので、いましばらくお待ちいただければと思います。

第8週
11/21
−緊急入院−

 2ヶ月ほど前−まだ単行本も出版されていなかった・・・−確かに胸に鋭い痛みがはしった。ほんの数秒、激痛
ただそれは“ほんの数秒に過ぎなかった”
 特にその後、その鋭い痛みが頻繁におそってくることもなく、平穏無事に過ごしていた(友人とキャッチボールもしたぞ)私は、当然病院で検査を受けることもなく、単行本の全国発売の日を心待ちにしていたわけです。
 それが11月に入り、このHPもようやく軌道にのるかという頃、にわかに心臓の鼓動の大きさに違和感を覚えはじめました。要するに、心臓がバクバクいっているのです。
 そして少々息苦しくなってくると、これは何か変だな、とさすがの私も自分の身体の異常に向き合わざるを得なくなったというわけです。
 ただし、それですぐに病院に駆け込めばよかったのですが、何せ(競馬以外は?)面倒くさがりやなものですから、友人の結婚式が1週間後に田舎でおこなわれることを口実に、“それじゃ、田舎に帰ったときに診てもらおう”
といって延ばしのばしにしていました。
 だって、普通に歩けるし、階段も上れるし、風呂にも入れましたから・・・。(当然、友人の結婚式では酒も飲んだ)

 そして、病院です。国立大学病院です。受付後、レントゲンです!心電図です!即、入院、車椅子?です!
自分の理解が及ばないまま物事が進んでいき、考える余裕もありません。
お医者さんから診断内容を説明されながら、相当悪い状態であったという事実にびっくり、と同時に納得もしました。それほどここ数日間は変わらない生活を送りながらも、やはり以前とは明らかに違っていたのです。

 しかし、友人には感謝です。もし友人の結婚式がなかったら、私はまだ東京にいて、違和感を感じながらも病院を訪ねたかどうか疑問だからです。その結果、どうなっていたのかは“神のみぞ知る”ですが・・・。

 さて、今後私はどうなっていくのか、今のとろは検査をし様子をみて安静にしている以外にはないということです。このHP運営において厳しい状態ではありますが、何とか出来る限りはこのコラムにしても継続していく所存であります。(実は、入院してしまうと結構暇なのです。)
今後の「ブロック式〜」についてもじっくり考えることもできます。(ホントか)

いつのまにやら闘病週誌に姿を変えていくかもしれませんが、ご容赦を!
皆様の応援よろしくお願いいたします。


第7週
11/16
−副題「365日間で勝負する」とは−

 単行本「ブロック式馬券利殖術」の前にくっついてる−365日間で勝負する−という副題?について一度じっくり考えてみなければなるまいと思っていました。
 今週はこれといったコラムの内容が思いつかないので、ここは絶好の機会というわけです。
もしかして、みなさまはこの副題を見て、“なんだ、この馬券本は、365日でようやく儲けが出るのか?”とか“1日単位、1ヶ月単位ではダメなのか”などなど、少々馬券本としてインパクトに欠けた印象を持たれたのではないでしょうか。
 
 本来?なら、
365日間で家が建ったブロック式〜」とか「みるみるお金が貯まるブロック式〜」とか威勢のいいタイトルにしたかったのですが、どう考えても無理があるのでやめました。

 それではもっと愚直に、「1ヶ月で1万円が1万1千円になるブロック式〜」ではあまりに格好悪い(笑)ですから、そういう意味で今回の−365日間で勝負する−という副タイトル、実によくできていると思うのです。

もちろん、“トータルとして勝つ”という意味での「365日間」のニュアンスを、本を目にした方がつかんでくれればの話しですが・・・。
(決して365日目にしてようやく利益が出た、というわけじゃないですから)

競馬好きの多くの方はたいてい【レース中心主義】だろうと思います。
1つ1つのレースを勝つことの積み重ねとして、トータルで勝っていればいいというスタンスです。
しかし、勝てません。積み重ねる前に、くずれてしまいますから。
【レース中心主義】でトータルとして勝てればいうことはありません。
それでは勝てない、勝ったことがないというみなさま、悪いことはいいません。
365日主義】?に考え方を切り替えてみませんか。
【365日主義】とは俗っぽい言い方をすれば、【儲け中心主義】です。
極端な話し、GTレース当日の第8レースに大勝したら、GTレースの馬券はお休みして観戦だけにする。
それができるかできないか!
【レース中心主義】ならとにかくレースに参加して、目標は勝ち続けること!なのです。
【365日主義】なら、開催日初日1R目で目標の5千円?プラスが達成されれば、そのの馬券購入は終了です。
そ、そんな無茶な・・・、と思われるでしょう。
しかし考えてみると、結局365日後の馬券収支はその5千円のプラスですら達成できてはいないはずでは!?
うぬぬ・・、痛いところをつきおって・・・。
いや、おっしゃる気持ちは十分わかります。
考え方を切り替えるのはそう簡単にはいきません。私も2年かかりました。
【365日主義】、これが意外にも、つまらなくなる(味気なくなる)と思っていた競馬からますます離れられなくなってしまったのです。ちょっと楽しくもなってきました。

さて、この副題−365日間で勝負する−からここまで読みとっていただければ?幸いなのですが・・・。
(それこそ無茶かな・・・。)


第6週
11/8
−『競馬「どん底」血風録』を読んだ!−
  先日、東京ドーム裏徒歩5分に居を構えるアールズ出版社に野暮用があって行った。久しぶりに入った編集室をキョロキョロ見回すと、机の上に一冊の真新しい本が。
『競馬「どん底」血風録』−乗峯栄一の賭け・地獄篇−だった。その本からしばらく視線を逸らさず物欲しそうにしていると、編集の長谷部さんが“これ出来上がってきたばっかり、読んでみますか”と声をかけてくれた。“いいんですか?”“・・いいですよ”ということで、幸運にも(そうとう物欲しそうな顔をしていたに違いない)、新刊を手に入れてしまった。もちろん、すぐに読んでみた。
 
 話は変わるが、単行本「365日間で勝負するブロック式馬券利殖術」には、その他多くの馬券本同様、長所と短所があります。デメリットなど1つもない、などと誇大広告をする気は毛頭ないので、ここでその長所と短所を明らかにしてみたいと思います。(そのごく一部ですが・・・)
 長所について・・・「ブロック式馬券利殖術」等のいわゆる“投資利殖系”全般に言えることなのですが、馬自体の強さ−例えばスピードとか血統、騎手も含めた−の予想に惑わされることがない。買い目を決定するファクターは、「人気」というデータがすべてであり、予想のはいる余地がないわけです。「ブロック式〜」の場合、どこに網を張るかという主観は入るものの、買い目はすでに決定されています。つまり、より利益追求だけに精神を集中できるというわけです。
 片や短所は・・・実はその長所が、そのまま短所となっているのです。
予想しないということ。する必要がない馬券術であるということ。これは勝ち馬を予想する楽しみを奪ってしまう馬券術である、とも言えるわけですね。
 かといって、予想したって当たらない、当たらないから「ブロック式〜」を我が馬券術としているわけなので、このジレンマは永遠に解決できないと思っていました。

 そんな時、(なんと都合のよいことか)新刊『競馬「どん底」血風録』−乗峯栄一の賭け・地獄篇−に出会ったわけです。これ、どんな本かと申しますと、関西スポニチに連載されていた“予想コラム”を1冊にまとめたものであります。
もちろん執筆者はかの乗峯栄一さんです。連載が関西スポニチですから、関東の方には馴染みが薄いかもしれませんが、「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞を受賞されている方なのです。
これと「ブロック式〜」がどういう関係にあるかというと、別に特にはないのですが、私が思うに「ブロック式〜」で脳味噌が“ブロック”になってしまった時に、そのブロック頭を“癒してくれる”効能を持つコラムかもしれない、と思い至ったのであります。
競馬なのに“予想”をしないという変なストレスを発散させてくれるのです。
また“予想”をしないというスタンスでいいのだろうか、投資競馬で大丈夫だろうか?という悩みにも、これを読めば即納得、一発解答、問題解決、となるわけです。
 なぜか?
 知ってる人は知ってますが、この乗峯さんの予想、まったく当たらないのです。単行本にはもちろん予想と結果がすべて掲載されているのですが、ひどすぎます(笑)。でも、某フジTV女性タレントの予想よりもはるかに楽しめます。単なる穴狙い予想家のコラムよりも哀愁を感じます。過去の予想であっても大いに笑えます。
 己の馬券術(ブロック式)に安心と納得を提供してくれ、その上さらにおもしろい予想をも提供してくれるのですから、こんなにすばらしいことはありません。ぜひ、「ブロック式馬券利殖術」とセットで購入して欲しい、と思います(無料−タダ−で手に入れたからって必死で宣伝しているわけじゃないですよ)マジでそう思いました。

さて、この単行本、毎週の重賞予想の他に、「GT同時進行小説」という短編小説も一緒に掲載されています。
全34篇の超短編小説です。その中から私が選んだ23番目におもしろかった作品を(勝手に)ここに掲載しちゃいましょう(サービス)。もしこれがつまらなくても、これよりまだおもしろいのが22本も収録されていますし、これが気に入ったなら、さらにおもしろい作品が22本もあるのです。どうですか、読んでみますか?

 ■武豊のダチなんだ■
 わたしは大阪豊中のコンビニで働いているパートの主婦です。最近、月曜日に来るオジサンに困っています。 オジサンはいつもジャージ姿。ママチャリに乗り、決まってハイリキと競馬週刊誌を買っていきます。
「きのうも徹夜やったからなあ、酒でも飲んで寝ないともたへんわ・・・」
 朝から酒を買うことに抵抗があるのか、何やら言い訳めいたことを言います。客なのだから、もっと毅然としていればいいと思うのですが、このオジさんはいつもブツブツ独り言を言います。
 あっ、またです。競馬週刊誌の下にエロ漫画誌を隠しています。
「漫画ローレンス、四百円」
 −ちょっと略−
急いでまたエロ漫画を競馬誌の下に隠し、ゴホンと咳払いし、そのあとオジサンは競馬誌の表紙に指を置いて「ダチ」と小さくつぶやきます。
 自分なりに名誉挽回を図っているようですが、まったく不可解な行動です。無視して勘定を告げると、自分の行為の無力さを悟ったオジサンはトボトボ帰ります。
 最近少し可哀想になってきました。今日は気分も良かったので「ダチって何ですか?」と聞いてあげました。
オジサンは急に顔を輝かせ、胸を反らして、「ダチ!」と繰り返します。指はファレノプシスという馬に乗る武豊の上に置かれています。
「ダチって武豊とダチなんですか?」
オジサンは大きくうなづき、一声高く「ダチ!」と叫びます。たぶん少し頭が弱いのだと思います。
「きのう京都の飲み屋で会った。福永裕一も一緒だった。京都新聞杯が木屋町の飲み屋でも続いていた」
 何のことか分かりません。でも今週からいよいよGTで、わたしも少し馬券を買おうと思っているので、もうちょっと聞いてみることにしました。
「で、武さんはファレノプシスのこと、どう言ってたんですか?」
「聞いてない。飲み屋の廊下に寝てて、トイレ帰りの武豊がつまずいてくれればいいと思っていたんだけど、うまく交わされた。ああ、一度でいいから武豊に上から覆いかぶさられたぃぃ!」
 聞いたわたしがバカでした。わたし、まだ人を見る目ができていません。

 『競馬「どん底」血風録』−乗峯栄一の賭け・地獄篇− P164「武豊のダチなんだ」より

 どうですか、いやされましたでしょうか?ここに登場する主人公は、トラックマン、競馬記者、英会話教師、さらに馬自身から京都競馬場のクレーンまで幅広く、みな悩みを抱えて生きています。でもつい笑ってしまいます。

さて、GT前日(当日早朝)に、乗峯栄一さんのGT予想がアールズ出版ホームページに掲載されています。(タダです)
「ブロック式〜」に疲れた時訪ねてみて下さい。

●第26回エリザベス女王杯の予想が今から楽しみです。
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